
マカの豊富なミネラル群で、不妊などさまざまな症状への改善効果が期待できます。
「マルチミネラルのサプリメントを飲んでいるのに、体調が良くならない」というかたも、ぜひこの記事を読んで解決の糸口を見つけてみましょう。
マカには実に9種類ものミネラルが含まれています。
これらのミネラルは私たちの体に欠かせない栄養素です。
しかし現代の日本人は、食の欧米化やインスタント食品の普及などにより、どうしてもミネラルが不足しがち。
これらのミネラルが不足するとどうなってしまうのか、また過剰に摂り過ぎるとどうなるのか。
そしてどうすればミネラルが補給できるのか、詳しく見ていきます。
日本人には不足していると言われているカルシウム。
一日に100~300mg程度のカルシウムが足りていません。
カルシウムが不足すると以下のような症状が出やすくなります。
カルシウムに骨や歯を作る作用やイライラを鎮める作用があることは知られています。
しかし摂取不足により血液内のカルシウムの量が減ると、骨から血中にカルシウムが溶け出し、血管を硬くしたり血管を収縮させたりしてしまうので、高血圧や動脈硬化を引き起こす恐れがあるのです。
また、妊婦さんがカルシウム不足になると、胎児がカルシウム不足にならないように母親の骨が溶け出します。
その結果、母親の骨がもろくなったりイライラしたりする恐れがありますので、特に妊婦さんはカルシウムを意識して摂るようにしましょう。
カルシウムを過剰摂取すると、
などの症状が起こることがあります。
しかしカルシウムの摂取上限は一日あたり2500mgなので、普段の生活で摂り過ぎになることはまずありません。
サプリメントなどでカルシウムを追加摂取しても、多量に摂らない限りは過剰摂取の心配はいりません。
しかし輸入されたカルシウムのサプリメントは、厚生労働省が定めた摂取基準を上回る量のカルシウムを含有しているものもあるので注意が必要です。
マカには100gあたり約350~600mgのカルシウムが含まれています。
サプリなど化学的に合成された栄養素よりも、マカなどの自然の食品から栄養素を摂ったほうが吸収率が高いということはよく知られています。
よって効率的にカルシウムを摂りたいならマカがおすすめ。
そして「もうちょっとカルシウムを摂りたいな」と思っている場合は、追加でカルシウムのサプリメントを摂るのが良いでしょう。
さらにマカにはカルシウムだけでなく、カルシウムの作用を助けるような複数の栄養素も含まれています。
例えばマカに含まれている「チロシン」という物質は、やる気ホルモンのドーパミンなどの材料になります。
「カルシウムでイライラを解消して、さらにやる気をだす」ということも可能なので、ぜひカルシウムはマカで摂ることをおすすめします。
ちなみにカルシウムは、ビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
ビタミンDは日光に当たることで体内に作られますので、
この二つを行うことで、効率的にカルシウム不足を補強することができますので、ぜひお試しください。
鉄分は赤血球を構成する成分の一つで、全身に酸素を運ぶ役目を担っています。
日本人女性の一千万人以上が隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)で、二十代~四十代の約40%が隠れ貧血を発症していると言われています。
また、毎月の生理によって約17mgの鉄分が体外へ排出されると言われていますので、鉄分は特に意識して摂取したいミネラルです。
鉄分が不足すると、
など、さまざまな症状を引き起こします。
鉄分の摂取量が少ないと、肝臓や脾臓などに蓄えられていた鉄分が体内で使われます。
その蓄えもなくなると、ついには血中の鉄分の不足を補うことができなくなり、貧血が起こるのです。
「貧血は鉄分不足のサイン」だと思っているかたも多いですが、実は貧血が起こる前から鉄分不足の悪影響が出ています。
「最近、寝起きが悪いな」「手足が冷えるな」というかたは、隠れ貧血かもしれません。
妊娠中や授乳中、ダイエット中のかたなどは特に貧血になりやすいので、意識して鉄分を摂る必要があります。
ちなみに睡眠中に鉄分が体に吸収されますので、「寝不足を避ける」ということも、鉄分不足を解消するためには大切なのです。
厚生労働省が定めた鉄分の一日あたりの摂取上限量は、
となっています。
この上限量を超えた鉄分を摂取してしまうと、
などの症状が引き起こされる可能性があります。
また幼児が鉄分のサプリメント(200mg相当)を飲んで死亡した例も報告されていますので、お子様がいるご家庭では、サプリメントの管理にも十分に注意を払う必要があります。
ただし貧血の治療などで上限量以上の鉄分を摂取する必要がある場合もありますので、その際は医師の指導のもと、十分に注意して鉄分の錠剤を服用しましょう。
マカには100gあたり16.6mgの鉄分が含まれています。
病院で処方される鉄分の薬のように多くは含有されていないものの、日頃の鉄分不足を底上げすることには適しています。
また、マカは野菜であり自然食品ですので、日常的に飲み続けることへの安心感もあります。
ただし鉄分は摂ってすぐに体調が良くなるというわけではなく、鉄分不足の症状が改善されるためには二ヶ月以上はかかります。
しかも肝臓などへ貯蔵する分も含めると、半年以上はマカを意識して摂り続けるのがおすすめです。
日本人は男女ともに慢性的な亜鉛不足だと言われています。
一日あたり約1mgの亜鉛が不足しており、積極的に亜鉛を摂取することが求められます。
亜鉛の摂取量が不足し続けると、
などを発症する恐れがあります。
妊活をしている方などは、男女ともに亜鉛が欠かせません。
男性が亜鉛不足になると精子の生産量や運動量が低下し、女性が不足すると月経前症候群(PMS)を引き起こしたり、妊娠後も胎児の成長(細胞の増殖)が妨げられたりする恐れがあるのです。
亜鉛の摂取量の上限は以下のとおり。
過剰摂取した場合、
などの症状が起こる可能性があります。
マカで亜鉛を摂る場合は過剰摂取の心配はほとんどないので安心ですが、海外から輸入された亜鉛のサプリメントを飲む場合は要注意。
日本国内で定められた摂取基準を上回る量が入っていることもありますので、購入の際はしっかりと亜鉛の含有量を確認することが大切です。
マカ100gあたりには3~8mg程度の亜鉛が含まれています。
サプリメントで亜鉛を摂る方法もありますが、日本人が不足しているのは1mg前後。
その分を埋め合わせするのなら、含有量が多いサプリよりもマカが良いでしょう。
栄養素は単体ではなく相互に作用しながら働いているので、バランスが大切です。
サプリメントで亜鉛の栄養素だけを過剰に摂取することはおすすめできません。
マカには亜鉛だけでなく、さまざまなミネラルやビタミン、ポリフェノールなどが含まれています。
血行促進をしたり体力を増強したりと、ドラッグストアで売っているサプリでは体感できないような効果が期待できます。
例えば妊活中の男性なら、「亜鉛で精子の数を増やし、さらに性欲もアップさせる」ということも可能なのです。
常盤植物化学研究所の発表では、マカを八週間以上続けることで、性欲の改善効果が確認されています。
銅は体内に約80mg存在しているミネラルです。
主に骨や筋肉、血液中に存在しています。
銅は一般的な食生活ではほとんど不足することはありませんが、ダイエットをしているかたや貧血ぎみのかた、授乳中の母親などは銅の摂取を心がけましょう。
銅が不足すると以下のような症状が引き起こされます。
銅があまり入っていないミルクを飲む乳児や、難治性下痢症のかたは銅が不足することがあります。
しかしそれ以外のかたは、銅を意識して摂る必要はほとんどありません。
普段の食事で銅の過剰摂取になることはまずないでしょう。
サプリメントを大量に飲んだりしない限りは大丈夫ですが、万が一過剰摂取した場合、
などの症状が引き起こされます。
マカに含まれている銅も100gあたり0.3mg程度なので、マカをたくさん摂っても過剰摂取の心配はありません。
銅の一日の摂取目安量は、
となっています。
一日の上限量は成人男女で10mgまで。
銅は普段の食事で足りている栄養素なので、日常で摂取を気にする必要はほとんどありません。
マグネシウムは現代人に不足しがちな栄養素です。
成人の体内(特に骨や歯、脳、筋肉など)に20g~30gほどのマグネシウムが存在しています。
戦後の食生活の変化で、玄米や大麦などの全粒穀物を食べなくなり、日本人のマグネシウムが不足し始めたと言われています。
さらに塩分の多い食事や過度のストレスによっても、マグネシウムが体外へ排出されることが知られていますので、マグネシウム不足は現代人の克服すべき課題とも言えるでしょう。
マグネシウムが不足すると、
などの症状が起こります。
マグネシウムは血圧や体温の調整にも使われる栄養素なので、普段から不足しないように心がけましょう。
マグネシウムの過剰摂取による健康被害は報告されていません。
過剰摂取しても吸収が抑制され、体外に排出される仕組みになっているのです。
ただし長期間、大量にマグネシウムを取り続けると、血中のマグネシウム濃度が上がる「高カルシウム血症」になる恐れがありますので、一日の推奨量(成人男性:320~370mg、成人女性:270~290mg。妊婦は+40mg)を守って摂るようにしましょう。
マカには100gあたり115mg程度のマグネシウムが含まれています。
日常的にマカを摂っても過剰摂取の心配はありませんが、マカだけでマグネシウムの不足分を補うことは難しいかもしれません。
マカはカルシウムや鉄分、亜鉛などの補給には適しているものの、マグネシウムは日頃の食事で補うことがおすすめです。
マグネシウムが豊富に含まれている食品には以下のものなどがあります。
食品 | 100gあたりの含有量(mg) |
---|---|
あおさ | 3,200 |
青のり | 1,400 |
干しエビ | 520 |
ピュアココア | 440 |
するめ | 310 |
木綿豆腐 | 130 |
納豆 | 100 |
たくあん漬け | 80 |
プルーン(干し) | 40 |
アボカド | 33 |
バナナ | 32 |
ちなみに亜鉛も日本人に不足しがちなミネラルですが、マグネシウムを摂ることで亜鉛の吸収率を高めることもできますよ。
マンガンは体内に12~20mgほど存在しており、骨の形成に関わります。
また抗酸化作用を持つ酵素との関わりもあります。
普段の食事でマンガンが不足することはまずありません。
ただし、マンガンが不足することで不安や統合失調症が引き起こされる、という報告もあります。
(参考:生田哲 「食べ物を変えれば脳が変わる」 PHP研究所 P21 2008)
マンガンの過剰摂取による健康被害の報告はされていません。
静脈栄養(血管から栄養を投与する)など限られた場合でなければ、過剰摂取の心配はありません。
マカには100gあたり0.8mgのマンガンが含まれています。
マンガンの摂取目安量は成人男性が4mg、成人女性が3.5mgとなっています。
マンガンの耐用上限量は11mgで、マカを摂っても上限量を超えることはまずありませんね。
普段の食事でマンガンの量は十分なので、マンガンについてはマカの出番はなさそうです。
体内には120g~160gのカリウムが存在しています。
カリウムはナトリウム(塩分)との相互作用で細胞の浸透圧や水分濃度を調節しています。
しかし現代の塩分過多の食生活で、カリウムとナトリウムのバランスが崩れがち。
カリウムが不足すると余分なナトリウムが体外へ排出されにくくなってしまうのです。
日本人は慢性的なカリウム不足で、一日の平均摂取量は2389mgほど。
食事摂取基準の目標量である、
という基準が満たされていないのが現状です。
カリウムが不足すると、
などの症状を引き起こす恐れがあります。
特に妊娠中の女性のなかには、むくみでお悩みの方も多く、カリウムの積極的な摂取が必要です。
カリウムは普段の食事で過剰摂取になる恐れはほとんどなく、摂取上限量も設定されていませんので、普段から意識して摂りたい栄養素です。
普段の生活でカリウムの過剰摂取の心配はないのですが、腎不全のかたはカリウムがうまく体外へ排出できない場合があります。
そうなると恐いのが「高カリウム血症」。
腎臓に疾患をお持ちの方は、医師の指導のもと、カリウムの摂取量を調節する必要があります。
マカには100gあたり2050mgのカリウムが含まれており、カリウムの摂るのにはぴったりです。
一般的にカリウムが豊富に含まれていると言われている食品はこちら。
食品 | 100gあたりの含有量(mg) |
---|---|
こんぶ | 5300 |
わかめ | 5200 |
ひじき | 4400 |
マカ | 2050 |
アボカド | 720 |
バナナ | 540 |
焼きアジ | 490 |
イワシ丸干し | 470 |
牛乳 | 150 |
これらの食品と比べてみても、マカのカリウム含有量は非常に優秀です。
しかもマカにはカリウム以外にもさまざまな栄養素が含まれていますから、合わせ技でマカの勝ち!と言っても間違いではないでしょう。
リンは骨の形成の際に、カルシウムやマグネシウムなどと一緒に活躍する栄養素です。
またエネルギーの代謝にも関わっています。
ただし現代においては、リンの不足よりも過剰摂取が心配されています。
リンは加工食品や清涼飲料水などに添加物として使われることが多く、むしろリンを摂りすぎないように気をつける必要があるのです。
日常的にリンが不足する心配はないものの、まれに腎機能障害をお持ちのかたや菜食主義のかたに、リン不足が見られることもあります。
また胃薬の成分である「水酸化アルミニウム」には、リンの吸収を阻害する働きがあり、胃薬を長期間摂取しつづけるとリン不足になることがあります。
リンが不足すると、
といった症状を引き起こします。
リンを過剰摂取するとカルシウムの吸収が抑制され、骨密度が低下する恐れがあります。
また、過剰摂取により腎機能の低下や腎臓結石の原因にもなります。
"リンの数値が高いと心血管疾患を引き起こしたり、寿命が短くなることもわかってきました"
(引用:日経BP社 「リンの過剰摂取の危険性と「食」の科学的エビデンスの創出」)
普段から加工食品を食べる機会を減らすなど、リンを摂りすぎないことが大切です。
マカには100gあたり220mgのリンが含まれています。
厚生労働省の発表では、リンの摂取目安量が、
となっています。
例えばマカをサプリメントで5g摂取すると、一日のリン摂取量は11mg程度。
マカによるリンの過剰摂取については、気にする必要はなさそうですね。
日常生活でセレンが不足することはまずありませんが、土壌中にセレンが少ない中国東北部などでは、セレン不足による心筋症が見られることもあります。
セレンを日常的に摂り過ぎると、
などの症状が起こります。
マカには100gあたり300μgのセレンが含まれています。
セレンの耐用上限量は、
となっていますから、マカを毎日100g摂らないと上限量には達しません。
健康のためにマカを摂っている人は、多くても一日に5g程度の摂取になりますから、セレンの摂り過ぎについては気にしなくても良さそうですね。
マカのようにミネラルが豊富に入っている食品に、「マルチミネラル」のサプリメントがあります。
「それじゃあマカじゃなくてマルチミネラルでも良いの?」という意見もありそうです。
しかし一般的には、サプリメントに含まれているような、化学的に合成された栄養素は体内への吸収率が低いことが知られています。
ですからミネラルは、マカなどの自然食品から摂ることをおすすめします。
しかもマカには、ミネラルの摂取だけでは不可能な、さまざまな効果が期待できるのです。
これらの効果などもマカは期待できますので、マルチミネラルよりもマカを摂ることをおすすめします。
マカにはミネラルだけでなくビタミン類も豊富に含まれています。
マルチビタミンやマルチミネラルの自然食品版というイメージですね。
基本的にはマカを摂っていればサプリメントを飲む必要はありません。
それでも併用したいというかたは「サプリは一日二錠のところを一錠にする」など、過剰摂取を避けるために少なめに摂るなどの工夫も必要になります。
実はマカには「葉酸」が含まれていません。
葉酸には新しい細胞を作り出す働きがあり、胎児の健康的な成長には欠かせない栄養素。
妊活においては特に必要な栄養素です。
葉酸が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害などの発症率を上げる可能性もあることから、厚生労働省が積極的な摂取を勧めているのです。
マカにはカルシウムなど妊活に必要なミネラルが含まれていますが、葉酸もプラスすることで、さらに栄養素がパワーアップ。
妊娠前はマカと葉酸を一緒に飲み、妊娠が分かったら葉酸のみにするなど、上手に組み合わせましょう。
(マカの安全性は確認されていますが、妊娠中は非常にデリケートな時期のため、マカを飲むのをお休みするのがおすすめ。旦那さんはマカを飲み続けても、もちろんOK)。
マカにはカルシウムや鉄分など、9種類ものミネラルが含まれています。
よってマカさえあれば、マルチミネラル(やマルチビタミン)などのサプリメントは必要ありません。
また、マカと葉酸のサプリメントを組み合わせることで、効果的に妊活もできます。
健康維持や栄養補給をしたいかたも、不妊治療をお考えのかたも、ぜひマカを続けてみてくださいね。